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本日リユースブックストアで「猫絵十兵衞 御伽草紙 コミックセット」 を買取致しました。

少年画報・ねこぱんちで、2007年4月から連載中。作者は、永尾まる。絵師の十兵衞と彼の猫絵に魂を吹き込む相棒の買取日記をご覧いただき誠にありがとうございます。
本日リユースブックストアで「鬼灯の冷徹 コミックセット」 を買取致しました。

猫又・ニタさんを取り巻く、江戸の町を舞台にした人情話漫画。2013年にはWebアニメにもなり、知る人ぞ知る、猫好き・江戸好き・物の怪好きにはたまらない作品。一話完結型のそれぞれのエピソードは、日本各地の猫に関する民話もヒントにしているそうです。

江戸時代、鼠除けの猫絵を描く猫絵師という職業は実在しました。

それ以外にも、キセル売りや桜草売り、母衣蚊帳売りに七味唐辛子売り、大福餅売り、蝶々売り、しじみ売り、竹売り、梅干し売り、あひるの卵売り、ざる売り、刻みたばこ売り、鮨売り、唐辛子の苗売り、芋殻・おから売りなど、当時実在していた風情ある…というか、ちょっと変わった物売りがいたり、猫の蚤取り屋、長屋にお茶屋に大店(おおだな)、風鈴、金魚団子に遊郭・花魁…そんな江戸文化の数々に触れられるのも興味深くワクワクします。エピソードの中で、鏝絵で有名な伊豆の長八の名前が出てきたり、江戸の時代からの町民のお楽しみな、長命寺の桜餅を食べたり、亀戸天神の梅の花見もします。

にゃんまみ陀仏と唱える回向院をもじった「ねこう院」という物貰いが、実在していたというのには、驚き。巻末の作者のあとがき「あとのはなし」に、各物語に沿った江戸文化解説漫画、わかりやすいです。

猫がいっぱい住み着いている三笠長屋、通称・猫丁長屋。そこに住む十兵衛は、人物画は茶屋の娘にも下手と言われるくらいなのに、動物を描かせりゃ超一流という、猫絵描きを生業としている絵師で、猫の言葉を理解します。相棒は、大きくて狸のような猫のニタさん。実は猫又。昔、ニタ峠で猫仙人だったニタさんは、キセルをくわえ酒も飲み、三味線掻き鳴らしながら歌も歌うし、人間の言葉を喋り、人に化けることも出来て、猫たちから尊敬される存在。十兵衛が描いた猫絵にニタさんが魂を吹き込むので、鼠除けの効果は抜群です。

日常の人情話のエピソードの合間に、十兵衛とニタさんの周囲の人と、その関わりも語られていきます。

十兵衛の師匠である吉野十玄。十兵衛の動植物絵の才能は認めていますが、人物画の下手加減にはいつも首を傾げます。猫好きで、十兵衛とともに訪れるニタさんにベタベタ。十兵衛は、猫吉師匠と呼びます。モデルは、猫好きでも有名な実在の浮世絵師・歌川国芳だそうで、国芳ファンも納得の粋な師匠です。

長屋隣に住む猫が苦手な浪人の西浦弥三郎は、子どもの頃に猫又に出会った時の恐怖から、猫が大の苦手。その時の猫又が、猫仙人時代のニタさんだということ、そもそもニタさんが猫又だということも、もちろん知りません。武人としては強靭で、首無し武者の亡霊など血肉なき者には、気合いで勝てるそうな。普段は、知り合いの道場で子どもたちに剣術を教えています。猫だらけの三笠長屋で猫に出会うたびに大騒ぎになるものの、なぜか懐いてきたトラ吉や、傷ついた猫を助けて看病に奮闘して居着かれたりして、少しずつトラウマを克服していってるような…

長屋の近所、法徳寺の猫好き老住職・奎安。猫が好きすぎて「お仕事して下さ〜〜〜い」と小僧さんにも言われてしまうほど。そんなお茶目で飄々としている感じなのだけど、何でも受け入れお見通しなご様子や、化け鼠にも狙われてしまうほど、どうやら相当徳が高いらしいのです。

売れっ子戯作者の濃野初風。十兵衛を気に入っていて、やたらと纏わりついてきます。本人曰く、合縁奇縁の仲だそうです。十兵衛からは、クラゲのような奴と言われているのですが…女好きで有名ですが、のちにとある猫との運命の出会いが…

猫丁長屋の住人である左官職人の佐助。仕事でいった大店・薬問屋の万屋の末娘、おもとに一目惚れ。飼い猫のクロが二人の仲を取り持つ…かも。

猫も個性派揃い。西浦と暮らすトラ吉は、まだ子猫。派手な物売りが好きで、ふらふら着いていっては迷子になり、西浦をハラハラさせているし、怪我をしているところを助けられて居着いた耳丸は、魚捕りの名人。巨大な魚を捕ってきては、西浦の布団の上にどんっ。家賃代わりなのか、西浦に魚獲りを教えているのか…ある日、まだ目も開いていないような子犬を二匹拾ってきます。

オッドアイの白い長毛猫の縹は、奎安和尚の愛猫。猫又ではなかったものの、ちょっと特別な力を秘めていて、和尚のために、命がけで戦い瀕死の状態に…

三匹衆のハチ・ブチ・ノドカ。猫又だけど、それぞれちゃんと飼われていて、ちょっと…だいぶ、ずっこけ。三匹衆と喧嘩友達である雪白も、大店に飼われているけど、猫又。

清白は、ニタさんが猫仙人だったときの側近。いたずら好きのニタさんにいつも振り回されていて、突然書き置き一枚で引退したニタさんに猫仙人の座を押し付けられてしまいます。

まだまだ沢山。どの人も、どの猫も、どの猫又も、粋でいなせな江戸っ子気質。ほろりとさせてくれます。

ニタさんの麻呂眉顔とニョホホという笑い声、ニタさんと十兵衛との微笑ましい掛け合いに、ほっこりできます。

一話完結なので、どこから読んでもそれぞれのエピソードは楽しめますが、十兵衛と師匠、十兵衛とニタさんの出会いのお話があったり、一つのエピソードのその後が語られたり、読めば読むほど、味わい深い。読み進めていく中で、いつしか猫丁長屋やニタ峠に入り込んでそこの住人になったような気にもなってきます。猫好きじゃない人はいつしか猫好きに、猫好きの人は確信持ってもっと猫好きになる…そんな大江戸猫ワールドに、ぜひ足を踏む入れてみてください。

リユースブックストアでは「猫絵十兵衞 御伽草紙 コミックセット」をはじめとするコミックセットを買取致しております。
読み終わった本などがあればぜひリユースブックストアにお持ちください!

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