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本日リユースブックストアで「ケンガンアシュラ コミック版」を買取致しました。

「まさしくこの世は、弱肉強食」この一言に集約されるような世界観がこの漫画にはあります。この漫画の中では、企業、商人たちが巨額の利益を賭け、雇った闘技者によって素手による格闘仕合を行い、勝ったほうが全てを得るという拳願仕合を行っています。この世界設定だけでも弱肉強食というのが分かるかと思います。そしてこの拳願試合は商人たちの争いを収める手段として、江戸中期に発祥したと言われており、それは現代にまで継承されています。この拳願試合というトーナメントに参加する競技者はだれしも、己が最強と疑わないような荒くれものが多く、その中でも最強を証明せんとする謎の闘技者、十鬼蛇王馬が拳願仕合の舞台に足を踏み入れようとします。彼と、漫画公式ヒロイン山下一夫(50代男性)が出会うことで、拳願試合の幕が上がっていきます。

この漫画を読んで思うのは、強いというのも様々な種類があるのだなあということです。もちろん格闘試合であるため、それぞれの格闘技の強さはさることながら、どの人物も自分の戦い方にプライドを持っています。
作中に出てくるような武術の大半は、その物語の中だけの流派ですが中には知っているような格闘技も多くあり、プロレスやボクシングなど現実世界でもファンが多いような格闘技の技をモチーフにしています。また登場人物の戦い方自体も先にも述べたように、その格闘技特有の戦い方であり、競技者自体がプライドを持って戦っていることが分かります。

中でも、プロレスは特にこの作中でも大々的に書かれていると言えます。プロレスで戦うキャラは関林ジュンというのですが、彼の『格闘技者には痛みから逃れる「権利」があるが、プロレスラーには攻撃を受けきる「義務」があるのみ』という持論からの戦い方は他のただ戦うことに固執する選手達とは違ってプロレス愛が伝わってきます。このケンガンアシュラでは基本的に人間ドラマや精神的な成長というよりかはただひたすらに戦いが描かれています。その戦いの中で主要なキャラクターはより強さを昇華させていきます。

主人公である王馬も、初期の戦い方ではただその才能や培ってきた強さでひたすらに拳をふるっていましたが、後半には自分に武術を教えてくれた師匠とのことを思い出し、その武の真意を理解したうえで戦うようになります。他にも、ケンガンアシュラ中では拳願試合の代表者として戦っていないまでも、強さというものにあこがれを抱いている登場人物が多く存在します。その代表が公式ヒロインでもある山下一夫です。彼は、さえないサラリーマンであり、妻とは10年前から別居中、長男は引きこもりで同じ家にいながら3年もの間姿を見ておらず、次男は暴走族所属の不良。というなかなかにハードな設定です。後に息子は2人とも王馬の活躍がきっかけで更生の道を歩みますがそれは是非漫画を読んでみてください。

一見、戦いとは無縁な山下一夫ですが、王馬と駒田のストリートファイトを目撃したことからその平凡な人生が狂い始め、王馬の圧倒的な強さを前に立ち尽くします。そしてなぜか、十鬼蛇王馬の世話係に任命され、王馬の破天荒ぶりに振り回されながらも、今まで培ってきた常識が全く通用しない拳願仕合に圧倒されつつも巻き込まれていきます。彼自身は、プロレスラーに憧れていましたが、ひ弱で幼少期にはガキ大将からもいじめられ、中学で柔道部に入った時に才能の限界を自覚し格闘技の道を完全に諦めました。しかし、だからこそ内には自分にない強さを持っている王馬に憧れ、そして己の夢を王馬の姿に重ね、彼の活躍を心から応援するようになります。我々読者はどちらかとういうとこの山下一夫の方には比較的共感する部分が多いかもしれません。先に共感しにくいと書きましたので、あくまで誰かに共感するのであればというのではこの山下一夫だと考えます。彼は、強さにあこがれを持っています。たぶん、このように強者に憧れるというのは我々だれしもが持つ感情だと思います。そして自分の日常をいともたやすく圧倒的な強さを持って壊していく存在、それが山下一夫にとっての王馬です。確かにこの関係性だけ見れば、主人公が王馬で公式ヒロインが山下一夫になるというのも納得がいきます。

山下一夫は王馬に振り回されながらも、王馬のひたむきに強さを求める姿勢を目の当たりにし、次第に一番の理解者であろうと努めます。前半ではただ振り回されてばかりだった山下一夫も、王馬との出会いによって自分の中に信念を持つようになり、その信念に沿って行動するようになります。強者には人を魅了する力がある、というのがこの漫画の醍醐味でもありその強さをどう証明していくかということをひたすらに書いているのはこの漫画であると言えます。

リユースブックストアでは「ケンガンアシュラ コミック版」をはじめとするコミックセットの買取を致しております。
読み終わった本などがあればぜひリユースブックストアにお持ちください!

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