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本日リユースブックストアで「ちはやふる コミックセット」 を買取致しました。

「読んだことのない人は、損をしてるかもしれません」
という表現はあまり好きではないのですが、本当にそう思えた作品です。

私も読むまでは、こんなに引き込まれるとは思っていませんでした。

「ちはやふる」は、アニメ版が2シーズン、実写映画は3本も作られた人気作品で、
原作もマンガ大賞2009受賞など各方面で高く評価されていますので、
タイトルは聞いたことがある、という人も多いかと思います。

大雑把に分類すると“少女漫画”になりますので、
もしかするとそれを理由に敬遠されている男性もいるかと思いますが、心配無用です。

私も読む前は「少女漫画だから恋愛モノ?」と思っていましたが、
読んだ上でジャンル分けするなら、熱血スポーツ青春モノといった感じです。

確かに、人物配置は「女1人と男2人」という少女漫画のパターンになっていますが、
作品としては「いわゆる少女漫画らしい恋愛描写」は非常に少ないです。

説明が難しいのですが、このあたりのバランスが『絶妙に良い』のです。

まず、主人公は、綾瀬千早という少女。

小学生編から始まりますが、高校生になり、目立つくらいの美少女に成長します。
しかし頭の中身はあまり変わらず、単細胞だけど、明るく裏表がなく純粋で、
かるたが大好きで、時々悩むけれど真っ直ぐで気持ちのいい性格です。

かるたに必要な、跳び抜けた聴力という才能を持ち、熱意も人一倍。
かるたが好きすぎて周囲を振り回したり、ズレた行動をとることも多いため、
周囲から『無駄美人』『かるたバカ』と呼ばれていますが、気付いてない様子です。

少女漫画の主人公なのに、恋愛への興味はほとんどなく
「かるたが強い人」に憧れるようなタイプです。

そして、このヒロインを意識している少年が2人います。

この2人は幼い頃から千早に対して淡い恋心を抱いていますが、
千早自身は何年もの間、全く気付いていません。

だからこそ男2人は、「かるたしか見えていない千早」の隣にいるには、
かるたを「本気で」やることが最低条件だと直感的に理解します。

少年のひとりは、綿谷新(あらた)。
ボーっとした雰囲気の、福井弁のメガネ男子です。
あまり裕福ではない暮らしぶりで、口下手で不器用なタイプですが、
祖父がかるたの永世名人で幼少期の師匠なので、かるたに関してはエリートです。

彼が小学校に転入してきたのが千早たちがかるたを始めるきっかけになりますが、
小学校を卒業しないうちに、新は家庭の事情で福井県に転校してしまいます。

もうひとりは、真島太一。
スポーツ万能、成績は学年トップ、金持ちの家に生まれたイケメン。
小学校時代は新をいじめていたグループのリーダー格で、
かるた自体はあまり好きではありません。

3人はかるたを通じて友達になりますが、
太一も中学は進学校に行くことになり、3人はバラバラになってしまいます。

後に、太一と千早が同じ高校に入ってからが物語の中心部分になります。

こう書くと、よくある文脈で、
「田舎の口下手なメガネ男子」が「鼻持ちならない万能なイケメン」から
「幼馴染のヒロイン」を勝ち取る話かな?と連想するかもしれません。

でも、この作品の面白いところは、このような学年成績トップのイケメンが、
三角関係に「かるた」を絡めた時に「弱者」になってしまうところにあります。

本来なら、福井県にいる新よりも、
千早と同じ東京の学校にいる太一の方が有利なポジションですが、
千早の目が向くのは「かるた」のことばかり。

太一の気持ちも知らず、千早は近くにいる太一よりも遠くに引っ越した新のかるたを
小学校時代と変わらぬまま無邪気にずっと気にしているのです。

その間、太一は大きく変わりました。
子供の頃、学校のかるた大会で新に負けたくなくて、つい卑怯な行為をしたのですが、
その後、ずっとそれを密かに悔いて、もう卑怯なことはしないと誓い、精進してきました。

高校生になった頃には、太一は、自分に厳しく、驕らず、媚びず、
正々堂々とした、実に立派な男に成長しています。

顔だけでなく心もカッコよくなった太一は、高校でもモテているのですが、
肝心の千早はそもそも恋愛よりかるたしか見ていません。
しかも太一は、かるたで千早にも勝ったことがありませんでした。

太一は他のことは万能ですが、かるたでは凡人なので、
才能のある千早や新に追いつくためには、膨大な努力の積み重ねが必要になります。

太一は言い訳せず、陰でも努力を続けます。

かるた部の新メンバーを勧誘する時、
学年成績万年2位で卑屈になっている同級生・駒野に、太一がこう言います。

「かるたの才能なんて俺だってもってねえ。きついけどやってんだ。負けるけどやってんだ」

かるたに青春全部をかけるほどの太一の本気は、千早への誠実さそのものなのです。

だから、恋愛描写があまりないスポ根漫画なのに、
太一の複雑ないろいろな気持ちが、かるたを通して伝わってくるのです。

物語の節々でしっかりと人物が掘り下げられるので、
読者は読み進めるうちに、自然に彼らを応援したくなっていきます。

しかし、読者が心から応援したくなる人物でも、負ける時は負けます。
彼らが、悔しさや、劣等感、挫折を乗り越えて、
燃えるような情熱で立ち上がる様子は、読む者の心に熱いものを呼び覚まします。

ストーリーもキャラクターもいい作品ですが「感情表現がとにかく上手い」のだと思います。
「かるたは興味ない」と敬遠してる人も、一度読めば心を掴まれるはずです。

競技かるたというマイナーな題材ですが、予備知識は不要です。
読むうちにポイントがわかってきて、戦略性やスピード感などを楽しむことができます。

登場人物3人の他にも、思わず好きになってしまうような魅力的なキャラクターがたくさんいて、
心の中で「頑張れ!」と拳を握りたくなることでしょう。お薦めです。

リユースブックストアでは「ちはやふる コミックセット」をはじめとするコミックセットを買取致しております。

読み終わった本などがあればぜひリユースブックストアにお持ちください!

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