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本日リユースブックストアで「あさきゆめみし コミックセット」 を買取致しました。

「源氏物語」の漫画化として有名な「あさきゆめみし」ですが、最後まで読破する人は少ないようです。
「源氏物語」は、主人公・光源氏を中心として生まれた様々な恋を描いた物語です。光源氏と多くの女性との関係が中心ですが、その子供たちの恋も描かれます。

光源氏の恋の相手としておそらく一番有名なのは紫の上ですが、葵の上、六条の御息所、藤壺中宮、明石の方、花散里、女三宮、空蝉、夕顔、末摘花、朧月夜……それぞれに個性的な女性たちです。
登場人物が多すぎて一度読んだだけでは把握しきれないほど分厚い物語で、源氏物語は紫式部が一人で書いたものではないという説もあるくらいです。
「あさきゆめみし」は、そんな「源氏物語」を現代に絵で見ることができる形でよみがえらせた名作と言っていいと思います。

「源氏物語」あるいは「あさきゆめみし」の魅力は、現代にも通じる登場人物たちの心のありさまです。
たとえば、後半の山場の一つに、光源氏の正妻(女三ノ宮)と柏木の浮気があります。
光源氏は兄の朱雀院から娘の女三ノ宮を妻としてもらってほしいと頼まれます。光源氏は、紫の上という愛妻がいるにもかかわらず、女三ノ宮を正妻として迎えます。
ところが、女三ノ宮は、女房の手引きで会いに来た柏木と関係を持ってしまいます。
かつて光源氏は実の父親に隠れて、義理の母である藤壺と過ちを犯しました。光源氏の息子は帝と藤壺の子供として育ち、即位しました。その因果応報であるかのように、光源氏の正妻である女三ノ宮が浮気をして薫が生まれます。
人妻に恋をしてしまった柏木。柏木にすきを見せてしまった結果柏木の子供を産んだ女三ノ宮。自分の子ではないと知りながら薫を育てる光源氏。それぞれの苦悩が描かれます。
まるで現代の昼ドラのような展開です。
一度物語に入り込んでしまうと、自然と感情移入して読めてしまいます。
人の心というものはそんなに変わらないものなのかもしれません。

「あさきゆめみし」は恋愛漫画として十分魅力的ですが、古文の教養が身につくという点でも優れています。「あさきゆめみし」に出てきたセリフを「源氏物語」原文で探してみると、登場人物のセリフの現代語訳が原文に忠実で驚きます。
たとえば、紫の上を光源氏が見初めるシーンで紫の上が尼君に言うセリフを、「源氏物語」と読み比べてみましょう。

「源氏物語」原文「すずめの子をいぬきが逃がしつる。伏籠の中に籠めたりつるものを。」
あさきゆめみし「雀の子を犬君がにがしてしまったの。伏せ籠にいれてあったのに」

このセリフの前後に尼君と紫の上が交わす会話を原文と読み比べてみると、本当に原文に忠実に漫画化されていることがわかります。
もちろん、まったく同じわけではありません。原文にはないセリフやエピソードが付け加えられている部分や、削られている部分や変更されている部分もたくさんあります。どこが同じでどこが違うのか、探してみるのも一興です。
何よりも、物語を絵で見ることができるということは、古文の初心者にとって意味があります。教科書や問題集で「源氏物語」を読んでも、「伏籠って何? つまりこれはどういうシーンなの?」という疑問が浮かびます。「あさきゆめみし」では、絵で状況がちゃんと描かれているので、少し知らない言葉があっても話の大筋が理解できます。
知らない単語は読みとばしながら物語を追いかけているうちに、なんとなく当時の風習やものの考え方、服装やお屋敷の様子などがイメージできるようになります。
漠然とであっても、当時の人たちの様子をイメージできるかどうかで、高校の古文の成績が変わります。流し読みでいいので、参考書だと思って高校1年生までに目を通しておくと、大学入試で役に立ちます。
「源氏物語」自体が毎年どこかの大学で入試問題になります。また、「源氏物語」以降、「源氏物語」をお手本にしてたくさんの恋愛ものが書かれました。「源氏物語」に影響された作品からの出題も非常に多いです。センター試験に「源氏物語」が出た年は古典の平均点が下がりました。「あさきゆめみし」に書いてある程度の事は、受験生ならみんな知っているものという前提で問題が作られ、結果的に難しくなってしまったようです。

日本人なら常識として知っておきたい「源氏物語」。「あさきゆめみし」で学んでみてはいかがでしょうか。

リユースブックストアでは「あさきゆめみし コミックセット」をはじめとするコミックセットを買取致しております。

読み終わった本などがあればぜひリユースブックストアにお持ちください!

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