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本日リユースブックストアで「ハチワンダイバー コミックセット」 を買取致しました。

 

将棋のプロ棋士への登竜門、奨励会——年齢制限で四段に上がることができず奨励会を退会となった菅田健太郎は、プロ棋士以外にもう一つある将棋で食べていく方法——賭け将棋を指す「真剣師」として日々を生きていました。負け知らずの日々を送るその中で「アキバの受け師」と呼ばれる将棋指しに出会い、そしてボロ負けするのです。

 

アキバの受け師こと巨乳メイドの中静そよは菅田に対戦相手を指名し対局させます。その過程で伝説のアマチュア棋士、「二こ神」こと神野神太郎に出会い、菅田は半ば無理矢理に弟子入りさせられますが、それをきっかけに棋力はぐんぐんと上昇していきます。

 

中静の目的は、真剣師集団、鬼将会を潰すことでした。その為に菅田の棋力を向上させ、共に鬼将会と戦うよう勧誘します。菅田は中静の魅力(主に巨乳)に抗えず、怖いながらもこれを受諾し、消極的ながらも鬼将会への入り口を探り始めるのでした。

 

当初は純粋な将棋漫画として進むかと思われました。作者である柴田ヨクサルの代表作に『エアマスター』全28巻、白泉社があります。女子高生がロードファイト(?)する漫画です。詳しくはそちらをご参照いただきたいのですが、勢いのある格闘シーンを描くことが作者は得意です。このあたりから、そういうシーンをまた描きたいという欲が出てきたのか、将棋描写3に対して格闘描写が7ぐらいになっていきます。肝心の(?)将棋描写自体も、盤上の形勢をわかりやすくするため、という名目で格闘シーンによって描かれるようになっていきます。将棋漫画は、一般にややもすると「静」の描写が多くなりがちで、わたしたちはその静寂の中に様々なものを見出すのですが、本作品にはその「静」の時間がありません。(あえていえば菅田が将棋盤にダイブする=81マスにダイブする時が「静」と言えましょうか。)登場人物が思索にふけるときであってさえも、声を大にして(フォントサイズを大にして)思索するのです。(あえていえば菅田が将棋盤にダイブする=81マスにダイブする時が「静」と言えましょうか。本作のタイトルはここから来ています。)登場人物は皆真剣に、時にコミカルに、止まることなく動き続けます。他の将棋漫画にないこのアイデアは本作品のオリジナリティといえましょう。

 

本作品のオリジナリティを挙げる中で忘れてはいけない点があります。本作品の将棋監修はプロ棋士である鈴木大介八段(段位は連載開始当時)が務めておられるのですが、まさかのご本人が作中に登場し、将棋を指すのです。他にも詰将棋で有名な浦野正彦七段(初登場当時)なども実名で登場されます。しかもそれらの実在の登場人物が作中の人物に負けてしまうのです。普通ならこんなところは描けないと思いますが、作者はそれを描いてしまうのです。いろいろな意味で恐ろしい作品です。

 

将棋を真面目に解説、あるいは指していないのではないか、と誤解されてはいけません。雁木、早石田流等、将棋の戦法が古今を問わず用いられており、勢いだけのように見えてわかりやすく作中で用いられています。入門者が本作を読んで将棋を学ぶ、というのは難しい(上にある意味で誤解を招く恐れすらあります)ですが、さわりを終えたぐらいの方でしたら楽しみながら学ぶこともできようかと思います。(念の為申し添えますが、将棋を学ぶ目的でなければ、将棋を指したことがない方が読まれても支障はありません。)

 

さて、鬼将会の本部ビルに菅田たちが乗り込んだ後は地下の「独立将棋国家」から、ビルの上層部にある「将棋闘技場」まで、個人戦や団体戦が目まぐるしく指されます。対局の合間にアクションシーンが頻繁に挿入されます。そして仲間たちも命を落としていきます。「将棋漫画で何故人が死ぬの? 間違いじゃないの?」と思ったあなた、あなたのその疑問は至極当然です。普通の将棋漫画では人は死にません。病死や事故死はありえますが、戦って死ぬなんてありえません。驚きです。

 

このあたりから、先述の『エアマスター』からのクロスオーバーで登場する人物も少しずつ出てきます。『エアマスター』がお好きな方も楽しんで読めるのではないでしょうか。最終回にはあの人も出てきますよ!

 

将棋闘技場で行われているトーナメントと並行して、鬼将会ビルの破壊活動は進みます。トーナメント決勝戦で中静に最終的に勝利を収めた菅田は、ビルが崩壊していく中で鬼将会のボス、谷生と対局するのです。その結果は——そして崩れ行くビルの中で菅田と中静の生死は——全35巻と、かなりのボリュームがありますが、最後までハラハラドキドキしながら一気に読み進められます。お時間のある週末や連休などにお勧めの漫画です。

 

リユースブックストアでは「ハチワンダイバー コミックセット」をはじめとするコミックセットを買取致しております。

 

読み終わった本などがあればぜひリユースブックストアにお持ちください!

 

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